「退職金があるから大丈夫」──そんな思い込みが、老後破綻の第一歩になる。
かつての常識は、いま非常識になりつつあります。 年金が減り、退職金制度が縮小し、平均寿命が延びる中で、私たちが本当に安心して暮らせる老後は「自分で備える時代」になりました。
特に40代・50代の世代は、親世代の「年功序列+退職金頼み」という構造の崩壊を目の当たりにしながらも、具体的に何をすればいいか分からずに立ち止まっている人が多いのが現実です。
この記事では、退職金の“現実”、年金が足りない“理由”、そして今から始めることで“10年後に大きな差”がつく3つの資産形成法を、できるだけシンプルに、実行しやすく整理してお届けします。
平均退職金の額は想像より少ない
厚生労働省の調査によると、大卒・勤続35年以上の定年退職者の平均退職金はおよそ2,000万円前後とされています(企業規模や業種によって変動あり)。
しかしこの金額は「退職金制度が整っている大企業」のケースが多く、 中小企業では1,000万円未満というケースも少なくありません。
さらにここから税金や住民税が差し引かれるため、実際に手元に残る金額はもっと少なくなることも。 加えて、住宅ローンの残債返済や親の介護費用、子どもの教育資金に一部を回す人も多く、「老後資金として全額使えるわけではない」のが実情です。
実際、退職金を「ご褒美消費」に使ってしまい、数年で資金が底をついたというケースも少なくありません。 退職後は収入が大きく減る一方、時間が増えることで支出が想像以上に膨らむこともあるのです。
年金だけでは足りない理由
「じゃあ、年金で足りるのでは?」と思うかもしれません。 しかし総務省の家計調査によると、夫婦2人世帯の平均的な老後生活費は月に26万円程度。
一方、厚生年金の夫婦平均受給額は月に20万円ほどと言われており、毎月6万円程度の“赤字”が発生していることになります。 年間で72万円、20年で1,440万円もの不足が生じる計算です。
もちろん生活費を切り詰めれば何とかなる…かもしれません。 でも「余裕のない生活」は、心の余裕も奪ってしまいます。
老後に本当に必要なのは、数字以上に「選択肢」です。 働き続けるのか、趣味を楽しむのか、家族のそばにいるのか。 それを自分で決められるかどうかは、今の行動にかかっています。
さらに、今後は物価上昇(インフレ)の影響も無視できません。 10年後、20年後に同じ生活費で暮らせる保証はなく、現役時代の「生活水準を落とさずに老後を過ごす」ためには、年金以外の収入源が不可欠です。
そしてもうひとつ忘れてはならないのが、予期せぬ医療費や介護費の発生です。 人生100年時代、80代・90代になってからこそ、貯蓄や資産のありがたみが問われます。 「もしも」に備えておくことは、家族の負担を軽減し、自分らしい人生を全うするための準備でもあるのです。
より具体的に「資産ゼロから始めるロードマップ」を知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
▶ 40代 資産ゼロからの資産形成|今から始めても遅くない完全ロードマップ
今から始めるべき3つの資産形成習慣
では、どう備えるべきか? 40代からでも間に合う「実践可能な3つの習慣」がこちらです。
- 月1万円のつみたて投資
新NISAやiDeCoなどを活用し、長期で資産を育てる。時間が武器になる投資法です。少額でも「始めた」という事実が、自信と習慣につながります。 - 固定費の見直し
保険料・通信費・サブスクなどを見直すことで、月数千円〜1万円の余剰資金を捻出できます。投資資金を「つくる」ことから始めましょう。 - お金の情報を“習慣的に”得る
制度や商品は常に変化します。月1冊の読書や、信頼できる金融ブログを定期的にチェックする習慣が、将来の判断力につながります。
「やる・やらない」ではなく、「習慣にできるか」が分かれ道です。
月1万円の積立が将来を変える
今から毎月1万円、年間で12万円。 10年で120万円、20年で240万円。もし年利3%で運用できれば、20年後には約327万円。
この“たった月1万円”が、老後資金の安心を生む土台になります。 「退職金+年金+自助努力」──これが、これからの新しい標準です。
さらに、月2万円・3万円と金額を増やしていければ、老後の選択肢は大きく広がります。 大切なのは、最初の一歩を踏み出して“積み上げる感覚”を持つことです。
自分で未来をつくるという意識が、将来の安心だけでなく、 今の生活にも自信を与えてくれるはずです。
あなたの未来は、あなたの今日の小さな習慣で決まります。 今日の積み立てが、10年後・20年後の選択肢を広げてくれる。
大きな決断より、小さな一歩を。
▶ 積立投資を始めるなら、初心者向け証券口座の比較はこちら

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